古いパソコンのSSDを新しいノートパソコンで使う方法|MBRからGPTへの移行実践レポート

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古いパソコンのSSDを新しいPCに移行する際のMBRからGPT変換プロセスを表現したイラスト。糸魚川市のパソコンサポートで実際に行われた作業イメージです。

こんにちは!糸魚川でパソコンサポートを行っている早川スタイルです。

今回は、古いノートパソコンのSSDやHDDを丸ごと新しいSSDにクローンして新しいパソコンに移行する作業についてご紹介します。10年ほどお使いになっているパソコンから別のパソコンに移行するケースでは時々あります。これはちょっとだけ注意が必要です。

同じような状況でお困りの方の参考になればと思い、記事にまとめました。

今回の作業内容

旧パソコン: NEC製ノートPC(電源が入らない状態)
新パソコン: Dell Latitude 3500(第8世代Core i3搭載)
目的: 旧PCのSSDデータを新PCに移行し、Windows 11で使えるようにする

この時のお客様は、「使っているパソコンが遅くなって、起動に5分はかかるようになって困っている。そしてとうとう電源がはいらなくなってしまった・・・。中のデータやOfficeなどは使いたい。そのまま残して別のパソコンに移動できるかや?」とのことでした。大丈夫です!はじめましょう。

なぜ苦労したのか?最大の問題点

実は、最新のノートパソコンの多くは「UEFI専用」になっています。

今回使用したDell Latitude 3500も、5,6年前というやや古めの機種でしたが、BIOSの起動モードが**「UEFI only」で、従来の「Legacy(レガシー)モード」には対応していません**でした。

これが何を意味するかというと…

古いパソコンのSSD(MBR形式)は、そのままでは起動しないんです!

MBRとGPTって何?

専門用語が出てきましたが、簡単に説明しますね。

MBR(Master Boot Record)

  • 古い形式のディスク管理方式
  • Windows 7や古いWindows 10で使われていた
  • 2TB以下のストレージ向け

GPT(GUID Partition Table)

  • 新しい形式のディスク管理方式
  • Windows 11やUEFI専用パソコンで必須
  • 大容量ストレージにも対応

つまり、古い形式(MBR)を新しい形式(GPT)に変換する必要があったんです。

実際の作業手順

ステップ1: 旧PCからSSDを取り出してイメージ保存

まずは、電源が入らない旧パソコンからSSDを取り出し、管理用パソコンにUSB接続してイメージデータを保存しました。

使用したソフト:**Macrium Reflect(マクリウム リフレクト)**の無料版

Dell Latitude 3500ノートパソコンの内部構造。マザーボード、DDRメモリスロット、冷却ファン、バッテリーが見える開けられた状態の写真

チェックポイント:
旧SSDのデータが正常か確認しました。Windowsフォルダや重要ファイルが見えることを確認すれば、データは無事です。

ステップ2: 新しいSSDにイメージを復元

管理PCに新しいSSD(今回はSATA SSD 240GB)をUSB接続し、マクリウムでイメージを復元しました。

ここで最初の壁:
MBR形式で復元されるため、そのままでは新PCで起動しません!

ステップ3: MBRからGPTに変換(最大の難関!)

ここが一番苦労したポイントです。

最初の試み – 新PCで直接変換を試みる

新PCにSSDを取り付けて、Windows 11インストールメディアから起動し、mbr2gptコマンドで変換しようとしましたが…

失敗!

  • ディスクがオフラインになってしまう
  • Volumeをオンラインにできない
  • mbr2gptコマンドがエラーで実行できない

解決策 – 管理PCで変換を実施

結局、管理PCでUSB接続した状態で以下の作業を行いました。

使用したソフト: Windowsのコマンドラインでmbr2gptを使用

  1. GPT形式に変換
  2. EFIシステムパーティション(200MB)を作成
  3. MSR予約パーティション(16MB)を作成
  4. UEFIブートファイルを作成

重要なコマンド:

diskpart
select disk X
select partition 3
assign letter=S
exit

bcdboot I:\Windows /s S: /f UEFI

このコマンドで、UEFI用のブート情報を作成しました。

ステップ4: 新PCに取り付けて起動

管理PCでの作業が完了したら、SSDを新PC(Latitude 3500)に取り付けました。

BIOS設定の確認:

  • Boot Mode: UEFI only (そのまま)
  • Secure Boot: 一旦Disabled(無効)にしておく

電源ON…

起動成功! 🎉

ステップ5: Windows 11にアップグレード

無事起動したので、そのままWindows 11へアップグレードしました。

アップグレード後の確認事項:

  • ドライバの更新(特にチップセット、グラフィック)
  • Secure Bootを有効化
  • TPM 2.0が有効になっているか確認

つまづきやすいポイントまとめ

ポイント1: 新PCがUEFI専用かどうか確認

Dell Latitude 3500のように、最近のノートPCは「UEFI only」が多くなってきています。

BIOSで「Legacy」モードに切り替えられない場合は、必ずGPT変換が必要になります。

Dell Latitude 3500のBIOS Setup画面。Boot Mode: UEFI onlyと表示され、Legacy Boot modeは非対応と記載されている

ポイント2: 新PCに取り付けてからの変換は困難

当初、新PCに取り付けてから変換しようとしましたが、ディスクがオフラインになるなど、様々な問題が発生しました。

おすすめ: 管理PCでUSB接続した状態で、すべての準備を完了させる

ポイント3: EFIパーティションの作成が必須

GPTに変換しただけでは不十分で、EFIシステムパーティション(100-200MB程度)とMSR予約パーティション(16MB)を作成する必要があります。

ポイント4: UEFIブートファイルの作成

bcdbootコマンドで、UEFI用のブートファイルを作成します。これがないと起動しません。

使用したツール・ソフト

  • Macrium Reflect(無料版) – イメージバックアップ・復元
  • Windows 11インストールメディア – 作業用起動ディスク
  • CrystalDiskInfo – SSD健康状態確認

作業時間

  • イメージ取得: 約1時間
  • 復元と変換作業: 約2時間
  • Windows 11アップグレード: 約1時間(最新25H2、ドライバ等最新化)

合計: 約4-5時間

まとめ

古いパソコンのSSDを新しいパソコンで使う場合、MBRからGPTへの変換が必要になるケースが増えています。

特に、UEFI専用の最新ノートパソコンでは必須の作業です。

成功のポイント:

  1. 管理PCで事前にGPT変換を完了させる
  2. EFIパーティションとMSRパーティションを作成する
  3. UEFIブートファイルを正しく作成する

この手順を踏めば、古いパソコンのデータを新しいパソコンでそのまま使えるようになります!

困ったときは早川スタイルまで

糸魚川市内でパソコンのデータ移行やトラブルでお困りの方は、お気軽にご相談ください。

データを失わずに、新しいパソコンで快適に使えるようサポートいたします!

古いパソコンからのストレージ(HDD、SSD)から丸ごと別のパソコンに引っ越す作業は、弊社では1万円でうけたまわっています。

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