前回の記事から1ヶ月後…予想外の展開
6月にお伝えした「ぷららメールがOutlookで送受信できない問題」。あの時は「設定変更で解決!」とお伝えしましたが…実は、より深刻な問題が発覚しました。
糸魚川市内のお客様から「設定を直してもらったのに、今度は@outlook.jpにメールが送れない」とのご連絡をいただいたのです。
何が起こっているのか?
お客様は以下の2つのメールアドレスを使っていらっしゃいました:
- ぷららメール(@○○○○.plala.or.jp)
- Outlookメール(@outlook.jp)
前回の設定変更で、Outlookソフトでぷららメールが使えるようになったのですが、今度はぷららメールから@outlook.jpのアドレスにメールを送ると拒否されるという現象が発生しました。
興味深いことに、すべての@outlook.jpアドレスが拒否するわけではありません。届くアドレスもあれば、拒否されるアドレスもあるという不可解な状況です。
実は5月にMicrosoft側でも大きな変更があった
調査してわかったのは、Microsoftが2025年5月にOutlook.com向けのセキュリティ強化を実施していたこと。これが今回の問題の根本原因でした。
何が変わったのか?
Microsoft側の変更内容:
- 大量メール送信者に対して、SPF・DKIM・DMARCという3つの認証を必須化
- 認証が不十分なメールサーバーからの送信を厳格に拒否
- ぷららのメールサーバーIPアドレスが「ブロックリスト」に登録される事例が発生
エラーメッセージの例:
550 5.7.1 Unfortunately, messages from [○○.○○.○○.○○] weren't sent
(このIPアドレスからのメールは送信できません)
他にも・・・
This Message was undeliverable due to the following reason:
Your message was not delivered because the return address was refused.
The return address was "<送信元のメールアドレス(今回はぷららメールアドレス)>"
Please reply to <Postmaster@plala.or.jp> if you feel this message to be in
error.
ぷらら側の対応状況
ぷらら側も対応は行っているのですが…
対応済みの内容:
- SPFレコードの設定
- 一部でのDKIM設定
- セキュリティ強化に伴う設定変更案内
まだ不十分な点:
- 全サブドメインでのDKIM設定が未完了
- DMARCポリシーの完全実装が未完了
- Microsoft要件への完全準拠が達成されていない
現在できる対処法
🔧 すぐにできること
- メールクライアントの設定確認(すでに実施済みでもエラーになるケースが多い)
- 受信サーバー:secure.plala.or.jp(ポート995、SSL有効)
- 送信サーバー:secure.plala.or.jp(ポート465、SSL有効)
- 送信内容の見直し
- 大量のURLを含むメールを避ける
根本的な解決には時間がかかる見込み
この問題はぷらら(NTT側)とMicrosoft双方の協力が必要な構造的な問題です。
解決に必要な対応:
- ぷらら側:DKIM・DMARC設定の完全実装
- Microsoft側:ブロックリスト登録の見直し
- 両社間での調整・協議

個人ユーザーができることは限られており、根本的な解決は両社の対応を待つしかないのが現状です。
業界全体の傾向
実は、この問題はぷららだけでなく日本の主要ISP全体で発生している共通課題です。
同様の問題が報告されているISP:
- OCN(2019年9月頃から)
- BIGLOBE(2020年10月から)
- So-net(2019年5月から)
- @nifty
これは、総務省のセキュリティ強化指針やGoogle・Microsoftの新要件に対応するための必然的な措置なのです。
早川スタイルとしての見解
現実的な対応方針:
短期的な対応
- 設定の最適化サポート
- 代替手段のご提案
- 個別の状況に応じたカスタマイズ
長期的な視点
正直にお伝えすると、この問題は2025年中にさらに深刻化する可能性があります。Microsoftの認証要件がより厳格になる予定で、現在の設定では将来的により多くのメールが拒否される可能性が高いです。
そのため、以下をお勧めしています:
- 当面は現在の設定で様子見
- 年内を目途に他のメールサービスへの移行検討
- 重要な連絡先には事前に状況説明
サポートについて
早川スタイルでできること:
- 現在の設定の最適化
- 代替メールサービスの設定サポート
- データ移行のお手伝い
- 状況に応じた最適解のご提案
料金:
- 基本的な設定確認・調整:2,000円〜
- 新しいメールサービスの設定:3,000円〜
まとめ
前回「解決した」とお伝えした問題でしたが、実際にはより複雑で深刻な構造的問題であることが判明しました。
現在の状況:
- 設定変更だけでは根本解決にならない
- ぷらら・Microsoft双方の対応が必要
- 完全解決には相当な時間が必要
お客様への推奨事項:
- 緊急性の高い連絡は代替手段を準備
- 年内の移行計画を検討開始
- 早川スタイルに気軽にご相談
「何だか難しそう…」と感じられた方も、ご安心ください。お客様一人ひとりの状況に合わせて、最適な解決策をご提案いたします。
技術的な問題でお困りの際は、いつでも早川スタイルまでお気軽にご相談ください。
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