お客様の困りごと：Windows 11に対応していないパソコンへの不安
糸魚川市上早川地区のKさんからご相談をいただきました。
「Windows 10のサポートが終わるって聞いたんだけど、今使ってるパソコンはWindows 11にできないみたいで…。それに最近、画面がときどき消えるようになって不安なんです」
Kさんがお使いだったのは、富士通のLIFEBOOK AH77/B1。2017年発売のハイスペックモデルで、Core i7を搭載した当時の上位機種です。
実際に診断してみると、パソコン自体の動作は悪くありませんでした。起動時間31秒、Office起動4秒と、まだまだ現役で使える性能です。
しかし問題は2つありました。
1つ目は、CPUがWindows 11の要件を満たしていないこと。 第7世代のCore i7-7700HQは、Microsoftが定めるWindows 11対応CPUのリストに含まれていません。2025年10月にWindows 10のサポートが終了すると、セキュリティ更新が受けられなくなります。
2つ目は、ディスプレイの不安定さ。 ときどき画面が消えるという症状は、経年劣化によるケーブルや液晶パネルの問題が考えられます。修理となると部品代と工賃で高額になる可能性がありました。
「パソコン自体はまだ使えるのに…」というKさんのお気持ちはよく分かります。でも、Windows 10のサポート終了まであと1年を切った今、安全にパソコンを使い続けるためには、Windows 11対応機への移行が最善の選択肢でした。
使用していたパソコンの状況分析
Kさんが使用されていたパソコンの詳細は以下の通りでした。
旧パソコン：富士通 LIFEBOOK AH77/B1 (FMVA77B1WG)
- CPU: Intel Core i7-7700HQ（第7世代・4コア8スレッド・2.80GHz）
- メモリ: 8GB
- ストレージ: Samsung SSD 860 EVO 250GB（健康状態93%）
- グラフィック: Intel HD Graphics 630
- ディスプレイ: 15.6インチ フルHD（1920×1080）
- OS: Windows 10 Home
- 起動時間: 31秒
- Office起動: 4秒
- シャットダウン: 8秒
ベンチマーク（CrystalMark Retro）: 3263
正直に言って、このスペックならまだ数年は使えるレベルです。SSDも健康状態93%で問題なし。Core i7-7700HQは第7世代とはいえ、4コア8スレッドの高性能CPUです。
※「いやぁ、Kさん、このパソコン、スペック的にはまだまだ現役ですよ。Windows 11さえ対応していれば…」と思わず言ってしまいました。
しかし現実として、MicrosoftはTPM 2.0と第8世代以降のCPUをWindows 11の要件として定めています。第7世代のこのパソコンは、公式にはアップグレード対象外なのです。
加えて、ディスプレイが不安定という症状。いつ完全に映らなくなるか分からない状態で使い続けるのは、お仕事にも支障をきたします。
早川スタイルが提案した解決策：HP ProBook 450 G9
お客様のご要望を踏まえ、HP ProBook 450 G9をご提案させていただきました。
このHP ProBook 450 G9は、早川スタイルでも人気の機種です。ビジネス向けに設計された信頼性の高いモデルで、実際に何台もお客様にお届けしてきました。
新パソコン：HP ProBook 450 G9
- CPU: Intel Core i5-1235U（第12世代・10コア12スレッド・最大4.40GHz）
- メモリ: 16GB DDR4 3200（8GB × 2枚）
- ストレージ: Micron NVMe SSD 256GB（PCIe 4.0 x4）健康状態100%
- グラフィック: Intel Iris Xe Graphics
- ディスプレイ: 15.6インチ フルHD（1920×1080）
- OS: Windows 11 Home
- Office: Office 2021 Pro
- その他: Wi-Fi 6対応、Webカメラ(720p HD)、Bluetooth 5.3、テンキー付き
- 起動時間: 20秒
- Office起動: 2秒
- シャットダウン: 5秒
HP ProBook 450 G9の魅力
このHP ProBook 450 G9、私も整備していて「やっぱりHPは良くできているなぁ」と感心します。
特に感動するのは内部へのアクセスのしやすさ。カバーを開けてメモリを増設したり、SSDを交換したりする際の作業性が抜群に良いのです。ネジを数本外すだけでカバーが開き、各パーツにすぐアクセスできる設計になっています。
「そんなの関係あるの？」と思われるかもしれませんが、これは将来のメンテナンス性に直結します。万が一の修理や、将来的なパーツ増設が必要になったとき、作業がしやすいということは、お客様にとってもコスト面でメリットになるのです。
ビジネス向けモデルならではの堅牢な作りも魅力。家庭用モデルとは一味違う、しっかりとした品質を感じていただけると思います。
着実な性能向上：数値で見る改善効果
今回は「劇的な改善」というより「着実なアップグレード」という表現が適切かもしれません。元のパソコンもそれなりに高性能でしたからね。
でも、数値を見ていただくと、確実に進化していることが分かります。
起動時間
- 旧パソコン：31秒 → 新パソコン：20秒（約1.5倍高速）
Office起動時間
- 旧パソコン：4秒 → 新パソコン：2秒（2倍高速）
シャットダウン
- 旧パソコン：8秒 → 新パソコン：5秒（約1.6倍高速）
メモリ容量
- 旧パソコン：8GB → 新パソコン：16GB（2倍増）
ストレージ
- 旧パソコン：SATA SSD（SATA/600） → 新パソコン：NVMe SSD（PCIe 4.0 x4）
「あれ？そんなに変わってない？」と思われるかもしれません。
でも考えてみてください。元のパソコンは2017年発売の当時ハイスペック機。それを2022年発売のビジネスモデルに買い替えて、これだけの差が出るということは、5年分の技術進歩がしっかり反映されているということです。
特にストレージ。SATA接続のSSDからNVMe接続のSSDへの変更は、データの読み書き速度が大幅に向上しています。ベンチマークのディスク性能を見ると、その差は歴然です。
客観的性能データ：ベンチマークテストで実証
早川スタイルでは、お客様にお渡しする前に必ずベンチマークテストを実施しています。
CrystalMark Retro による実測値：
項目旧PC（LIFEBOOK）新PC（ProBook）向上率総合スコア32633922約1.2倍CPU Single67537641約1.1倍CPU Multi2922430875約1.1倍Disk Seq Read465910329約2.2倍Disk Seq Write307411988約3.9倍
注目すべきはディスク性能。 シーケンシャル読み込みが約2.2倍、書き込みに至っては約3.9倍もの向上です。これはNVMe SSDの恩恵ですね。
総合スコア 3922 が示す実用性
一般的な目安：
- 2000以下：基本的なオフィス作業のみ
- 3000-4000：← 今回のPC オフィス＋ウェブ閲覧快適
- 4000-6000：マルチタスクも快適
- 6000以上：ゲーム・動画編集対応
総合スコア3922は、日常的なパソコン作業には十分すぎる性能です。
✅ 完全に快適な用途
- オフィスワーク：Excel、Wordはもちろんサクサク
- YouTube・動画視聴：4K動画もスムーズ再生
- ビデオ会議：Zoom、Teamsで高画質通話
- マルチタスク：ブラウザで複数タブを開きながらOffice作業もOK
- 写真の整理・編集：軽めの画像編集なら問題なし
メモリ16GB搭載なので、複数のアプリを同時に開いても余裕があります。「パソコンが重い」と感じることはほとんどないでしょう。
実施した専門的な移行・最適化作業
1. SSDクローンによるデータ移行
今回は、旧パソコンのSSDを丸ごと新パソコンのSSDにクローンする方法でデータを移行しました。
専用ソフトウェアを使用して、元のSSD（SATA接続）の内容をそのまま新しいNVMe SSDにコピー。デスクトップのファイル、お気に入り、各種設定など、すべてそのまま引き継がれます。
「前のパソコンと同じように使える」というのが、クローン移行の最大のメリットです。
2. ログイントラブルへの対応
ただ、今回は一つ予想外のトラブルがありました。
SSDをクローンして新パソコンに取り付けたところ、PINコードでのログインができなくなってしまったのです。
これはWindowsのセキュリティ機能が働いた結果。パソコン本体が変わったことを検知して、「このデバイスのセキュリティ設定が変更されたため、セットアップした暗証番号(PIN)が使えなくなりました」というメッセージが表示されました。
Kさんにパスワードを確認したところ、残念ながらご本人も記憶になく…。
幸いローカルアカウントだったため、コマンドプロンプトを使った方法で新しいユーザーを作成し、パスワードをリセットして作業を進めることができました。（この解決方法については別の記事で詳しく解説しています）
ポイント: Microsoftアカウントでログインしている場合、この方法は使えません。パスワードは必ず控えておくことをおすすめします！
3. システム最適化・クリーンアップ
- 不要アプリのアンインストール：使用していないプリインストールアプリを削除
- システム一時ファイルのクリーンアップ：ディスククリーンアップで不要ファイルを削除
- スタートアップ項目の整理：起動時に不要なアプリが立ち上がらないよう調整
- Windows Updateの適用：最新のセキュリティ更新を適用
新しいSSDの健康状態
今回搭載したSSDの状態も確認しておきましょう。
Micron MTFDKBA256TFK-1BC1AABHA 256GB
- 健康状態: 正常 100%
- 使用時間: 184時間
- 電源投入回数: 154回
- インターフェース: NVMe / PCIe 4.0 x4
- 総読み込み量: 1,104GB
- 総書き込み量: 1,196GB
使用時間わずか184時間。ほぼ新品同様のコンディションです。NVMe規格のPCIe 4.0 x4接続で、読み書き速度も申し分ありません。
早川スタイルの中古パソコン販売こだわりポイント
メモリは標準16GB
現在のソフトウェアを快適に動作させるため、メモリは16GBを標準搭載しています。Windows 11自体がそれなりにメモリを使いますし、ブラウザで複数タブを開くとメモリ消費は増える一方。8GBでは心もとない時代になりました。
基本スペックの統一
- 画面サイズ：15.6インチ
- 解像度：フルHD（1920×1080）
- キーボード：テンキー付き（数値入力が多い方に便利）
- SSD容量：256GB以上
信頼性の高いメーカーを推奨
HP、DELL、NEC、Lenovoなど、ドライバやユーティリティのサポートが充実しているメーカーを中心に選定しています。特にHPのビジネスモデルは、作りの良さと信頼性で定評があります。
総費用とアフターサポート
今回の総費用：75,000円（税なし ※消費税はいただいておりません。）
この価格には以下がすべて含まれています：
- HP ProBook 450 G9 本体
- Core i5-1235U（第12世代・10コア12スレッド）
- メモリ 16GB（DDR4 3200）
- NVMe SSD 256GB（PCIe 4.0 x4）
- Windows 11 Home
- Office 2021 Pro
- SSDクローンによるデータ移行
- 不要アプリのアンインストール
- システム最適化・クリーンアップ
- ACアダプター
- 30日間の動作保証
費用内訳：
- 中古ノートパソコン本体：62,000円
- データ移行・最適化作業：10,000円
- Office 2021 Pro：3,000円
お客様の声
作業完了後、Kさんからこんな言葉をいただきました。
「画面が消える心配もなくなったし、Windows 11になって安心して使えます。前のパソコンのデータもそのまま使えるのがいいですね」
Kさんの場合、元のパソコンがそれなりに高性能だったので、「劇的に速くなった！」という感動は少なかったかもしれません。
でも、Windows 11に正式対応した安心感、ディスプレイ不安定から解放されたストレスフリーな環境、そして第12世代CPUとNVMe SSDによる確実な性能向上。
これらを考えると、今回の買い替えは間違いなく正解だったと思います。
Windows 10のサポート終了まであと1年を切りました。「まだ使えるから」と先延ばしにしている方も多いかもしれませんが、早めに準備を始めることをおすすめします。
早川スタイルが選ばれる理由
地元密着のスピード対応
糸魚川市を中心とした地域密着サービス。お困りごとがあれば、最短30分で駆けつけます。
無料見積もり・無料相談
作業前の見積もりは完全無料。「Windows 11に対応しているか確認してほしい」「買い替えた方がいいか相談したい」など、お気軽にお問い合わせください。
豊富な実績と確かな技術
これまで多くのお客様のパソコントラブルを解決してきました。確かな技術と豊富な経験でサポートします。
まとめ：Windows 10サポート終了に備えたい方へ
「Windows 11に対応していないパソコンをどうしよう」「画面の調子が悪くなってきた」「そろそろ買い替え時かな」
そんな方は、ぜひ早川スタイルにご相談ください。
お客様一人ひとりの用途と予算に合わせた最適な中古パソコンを提案し、データ移行から最適化まで一貫してサポートいたします。
Windows 10からWindows 11への移行は、パソコンを買い替える良い機会です。新しい環境で、安心・快適なパソコンライフを始めませんか？
「パソコンのことはよく分からない」という方も大丈夫。分かりやすく説明しながら、一緒に最適な1台を見つけていきましょう。
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